アリスの部屋
浴槽水を管理する塩素系薬剤
お元気様です!
台風15号が関東地方を通過中で、風速25メートル以上の暴風域を伴い強い勢力を維持しています。
関東では85万軒近くで停電となっているそうです。
JR東日本では運休が続いてるみたいです。
また、気象庁は高温注意報を発表しています。
みなさま、台風だけでなく熱中症にもお気を付けください。
さて、本題です。
今回は、「浴槽水を管理する塩素系薬剤」についてのお話です。
塩素消毒は水道水のみならず、浴槽水の管理にもその利用かちは大きく、
効果・コストの面からいってもまず最初に選択する消毒法と言えます。
浴槽水の管理に持ちいれられる主な塩素剤は次の3タイプがあります。
いずれの塩素剤も水中に溶解したときに、次亜塩素酸(HOCLl)となって効力を発揮します。
それぞれの特徴をまとめましたのでご覧ください。
<次亜塩素酸ナトリウム液(NaOCl)>
次亜塩素酸ナトリウム液は、水酸化ナトリウム(NaOH)no水溶液に、
塩素ガス(Cl₂)を吹き込んで製造されています。
製品は液体で、有効塩素濃度は5~12%のものが市販されており、強アルカリ性を示します。
通常の使用法は次亜塩素酸ナトリウム液を薬液タンクに入れ、
耐蝕性注入ポンプを使って循環経路のろ過器の前に注入します。
薬液濃度が高いと浴槽での塩素濃度の変動が大きくなるため、
5~10倍に希釈して有効塩素濃度1~3%溶液で使用する場合が多くあります。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムは経時的に分解が早く、効果の劣化が激しいので注意を要します。
保存環境によっては、有効塩素濃度が1カ月に20~30%も減少するので、
夏場を越してしまったり、半年以上もストックされていたものは、
現役の塩素濃度が1~3%程度まで分解している場合もあるので確認してから使用します。
また、注文ポンプやノズルに結晶が固着していたり、
エアが噛んで実際は薬液が注入できていないケースもよくあって、
レジオネラ属菌の増殖原因にもなりますので、点検を常に行うことが必要です。
<さらし粉=次亜塩素酸カルシウム(Ca(OCl)₂)>
さらし粉は水酸化カルシウム(消石灰)に塩素を吸収させて作り、
次亜塩素酸カルシウムのほかに不純物を含みます。
有効塩素含有率を高くしたもの(60%以上)は、高度さらし粉ともいわれます。
改良された中性次亜塩素酸カルシウム(有効塩素濃度60~70%)も顆粒や錠剤などで市販されております。
水のpHを変動させないメリットがある反面、刺激臭や腐食性はやや強く、
水に溶解するときには発熱反応を起こします。
また、3%程度の不溶性成分を含み、Ca(OH)₂やCaCO₃のスラッジを生じるので、
浴槽や配管内のスケール汚れの原因となりやすいわけです。
アルカリ泉、特に炭酸泉の場合はカルシウム成分が炭酸カルシウムとなって
浴槽や配管内に固着してスケール汚れが生じ、汚染の原因となります。
保存する場合は、湿気を避け冷暗所に保管します。
<塩素化イソシアヌル酸>
イソシアヌル酸という安定性のある有機物に塩素を結合させて作らせたものが塩素化イソシアヌル酸で、
有効塩素濃度が60%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(C₃N₃O₃NaCl₂)と
90%のトリクロロイソシアヌル酸(C₃N₃O₃Cl₃)です。
顆粒と錠剤があり、長期安定性は優れており、湿気を避け冷暗所に保存してあれば前年のものも支障なく使用できます。
塩素化イソシアヌル酸は完全に溶解するため、不溶性の残分を生じることはないので、
アルカリ性の泉質においてもスケールの発生原因になりません。
また、イソシアヌル酸そのものに有効塩素の安定化作用があることもわかっています。
トリクロロイソシアヌル酸は溶解速度が遅いので、持続型錠剤としての作業性のよさと、
変動の少ない安定した塩素管理が特徴です。
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは溶解が早く、溶液は中性のためpHや設備等への影響はありません。
顆粒剤として浴槽水やヘアキャッチャーの投入でき、初期濃度の上昇や残留塩素濃度の補給に役立ちます。
塩素化イソシアヌル酸のメリットとしては、
・塩素臭が少ない
・貯蔵安定性がよい
・露天風呂など屋外使用時での紫外線安定性が優れている
などがあげられます。
なお、塩素化イソシアヌル酸は次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸ナトリウムなど、
他の塩素剤と混ざると急激な反応を起こす危険もあるので、絶対に混合してはいけません。
東工業では、次亜塩素酸ナトリウムやジクロロイソシアヌル酸の薬剤を取扱いしております(*’ω’*)
お客様の安心安全のために、施設管理を徹底しましょう!!