アリスの部屋
すべては感染のメカニズムを知ることからはじまる
レジオネラ感染症発生のメカニズムとは?
藍藻との共生やアメーバに寄生すると分裂が加速するレジオネラ属菌
レジオネラ属菌は特に発言率の高いLezionella pneumophila(レジオネラ・ニューモフィラ)を
はじめ43種の似た性質を持つ菌の属名称であり、大きさも2~20ミクロンとまちまちのグラム
陰性細菌です。土の中、水系の中など広く自然界に分布しており、本来単独ではpH6.8~6.9の限られ
た範囲でしか増殖できません。分裂速度も大腸菌に比べて10分の1程度しかない貧弱な印象を持つ
細菌ですが、ある種の藍藻や緑藻と共生したり、アメーバなどの原生動物の体内に寄生するとかなり
広い範囲で生息できるようになります。そして、分裂速度も急激に早くなります。この性質の把握が
現場での対策に具体的な指針を与え、ひいては近い将来にレジオネラ症対策として画期的な決め手を発見
するポイントと思われます。
すべては感染のメカニズムを知ることからはじまる
対策の原理としては、感染のメカニズムのいずれかを断ち切ればよいでしょう。そこで
メカニズムをまとめてみます。
①レジオネラ属菌が循環水系(浴槽水など)に侵入します
②レジオネラ属菌が循環水系に生息し、特にバイオフィルム内において増殖保存されます
(アメーバーなどが関与)
③入浴客数の増大などにより有機物増大→細菌→アメーバ→レジオネラ属菌の各々の増大
④レジオネラ属菌が混入したエアロゾル(飛沫)や直接の誤飲での人体への取り込み(感染)
これらを防ぐ対策としては、次のことが考えられます。
(1)レジオネラ属菌の侵入を最小限に留める―レジオネラは自然界にはありふれた菌であり、
主に土や河川などの水中に生息します。
もちろん人体にも付着することから侵入を防ぐことは困難ですが、最小限に留めることはできます。
(2)バイオフィルムをなくす―もし、浴槽そのほか系統内において残留塩素濃度が0.4ppm以上
保たれていれば、レジオネラ属菌は単独では循環系に生息しにくくなります。しかし、系統内に
おいてバイオフィルムが形成されていれば、その中にいるアメーバがレジオネラの温床となり、
単に保持されるだけでなく、文字どおり増殖の温床となり、単に保持されるだけでなく、文字
どおり増殖の温床となります。したがって定期的な清掃と消毒が最も重要になります。ただし一度
にその系統におけるすべてを行わなければ効果は半減するので、消毒材を入れて一定時間以上
循環させる必要があります。
(3)ピーク時における塩素管理が重要―入浴客が増えると、人体に由来する有機物やアンモニア性
窒素が生じ、その分酸化で残留塩素が消費され減少すると、水系においてレジオネラ属菌が生息しや
すくなります。さらにバイオフィルムが形成されてアメーバも増大します。これに寄生する
レジオネラ属菌も増大して水系に放出され、水系における数を増やしていきます。そこでピーク時に
おける塩素管理が最も重要になります。ただしこの場合において、(2)におけるバイオフィルムの
形成があるのとないのとでは、スタートラインおいて大きな違いのあることに注目すべきです。
(4)エアロゾル(飛沫)の原因となるもの―最近は浴槽水にさまざまな装置を付加することが
広く行われてきており、エアロゾル(飛沫)の原因となるものが数多くあります。これをできる限り
少なくしておくことが、もし浴槽がレジオネラ汚染された場合でも、感染機会を減らすのに有効
であることはまちがいないでしょう。しかし、たとえエアロゾルのもととなるもを完全に排除
しても、利用者が口の近くまで浴槽に浸かったり、浴槽にもぐったりすることはさけられないと
考えれば、これがきわめて消極的な対策であることはいうまでもありません。
レジオネラ属菌検査 税込5,500円
浴槽水4項目検査 税込7,700円
原水等6項目検査 税込8,250円
安く・早く・正確にをモットーに行っております。