アリスの部屋
レジオネラ感染症発生のメカニズム
『レジオネラ感染症発生のメカニズムとは?』
藍藻との共生やアメーバに寄生すると分裂が加速するレジオネラ属菌
レジオネラ属菌は特に発現率の高いレジオネラ・ニューモフィラをはじめ43種の似た性質を
持つ菌の属名称であり、大きさも2~30ミクロンとまちまちのグラム陰性細菌です。
土の中、水系の中など広く自然界に分布しており、本来単独ではpH6.8~6.9の限られた
範囲でしか増殖できません。分裂速度も大腸菌に比べて10分の1程度しかない品貧弱な印象を持つ
細菌ですが、ある種の藍藻や緑藻と共生したり、アメーバなどの原生動物の体内に寄生するとかなり
広い範囲で生息できるようになります。そして、分裂速度も急激に早くなります。
この性質の把握が現場での対策に具体的な指針を与え、ひいては近い将来にレジオネラ症対策として
画期的な決め手を発見するポイントと思われます。
レジオネラ属菌は肺に入れば肺炎の原因に
温浴施設における過去の感染例や死亡例を検証すると、1991年に温泉において転倒し、その際に温泉水を
誤って飲み込み感染した事例があります。また、1999年には、名古屋で24時間風呂で水中出産した
新生児が感染死亡しました。
これらの事例から、レジオネラ属菌は、ある程度以上に繁殖していた浴槽水を人が飲み込み、気道から
肺へ達したことで、肺の細胞にとりつき増殖したことがわかります。
そのほかの事例では、レジオネラ属菌が増殖した浴槽が原因ということは確かであるものの、その感染
経路がはっきりしていません。おそらく冷却塔からの感染と類推すれば、汚染された浴槽からの飛沫(エアロゾル)
を吸引することにより、肺に達して感染したとみられます。(レジオネラが原因の感染症としては、肺炎の
ほかにポンティアック熱というものがありますが、これはカゼに似た軽い症状で自然治癒することが多いようです。)
単独では弱い部類のレジオネラ属菌が、なぜ人を死に至らしめるほど猛威をふるったのでしょうか。
それはアメーバなどの原生動物がレジオネラ属菌のゆりかご(寄生)となり、爆発的に増殖する温床と
なるからです。
アメーバや細菌は浴槽配管機器類の中では「ぬめり」(バイオフィルム=生物膜)となって定着し、これが
レジオネラ属菌の供給源となり浴槽中に放出され、これが口の中、肺の中に入ることにより感染すると
思われます。
いったん、人体(肺)にとりついたレジオネラ属菌は、あたかも原生動物中で寄生したように肺細胞の
中で爆発的に増殖しようとしますが、ここで人体が固有にもつ免疫力との戦いとなり、その発現が
カゼに似た症状であり、免疫力が負ければ肺炎を経て死に至ることになります。
レジオネラ属菌検査 税込み5,500円
浴槽水4項目検査 税込7,700円
原水等6項目検査 税込8,250円
安く・早く・正確にをモットーに行っております。