アリスの部屋
遊離残留塩素には強い殺菌緑と即効性がある!~レジオネラ対策~
今回は、『遊離残留塩素について』です。
■□遊離残留塩素には強い殺菌力と即効性がある□■
遊離残留塩素は、広範囲な菌に対して強い殺菌力と即効性をもちます。
濃度と接触時間によって期待する効果を求めることができます。たとえば、塩素濃度を適正範囲(0.2~0.4mg/Lくらい)で管理したい場合は、継続的に塩素供給するようにして菌の不活化に要する接触時間を保ち、逆に即効性を求める場合は、塩素濃度を0.5~1.0mg/Lとやや高くします。
次亜塩素酸の殺菌力は、15~30秒で効果がでる濃度は、大腸菌に対しては0.25mg/L、レジオネラ属菌に対しては0.5mg/Lという報告もあります。
■□遊離塩素よりも消毒力が弱い結合塩素の殺菌力□■
結合塩素であるクロラミンは、遊離塩素よりも消毒力は弱く、大腸菌などに対して、同一接触時間、同一効果を得るのに必要な塩素量についての研究報告があるので示します。細菌を30分以内で死滅させるのに必要な残留塩素濃度を比べてみると、pH7では遊離塩素ですと、0.2mg/Lで効果が得られるのに対し、結合塩素では2.5mg/Lと1.25倍の濃度が必要になります。
塩素剤の除菌力
残留塩素濃度 死滅する菌(15~30秒)
0.1mg/L チフス菌、パラチフス菌、赤痢菌、淋菌、コレラ菌、黄色ブドウ球菌
0.15mg/L ジフテリア菌、脳せきずい膜炎菌
0.2mg/L 肺炎双球菌
0.25mg/L 大腸菌、溶結性連鎖状菌
0.5mg/L レジオネラ菌類
■□塩素剤が適さないケースとは?□■
塩素剤といっても万能ではありませんので、塩素剤が適さないケースについて付記します。
(1)鉄分の多い水質では次亜塩素の酸化力によって鉄が酸化され、湯が黄ばんだり、ひどい場合は赤茶色になってしまします。
(2)pH4以下の強い酸性泉では持続的な塩素注入は塩素ガスが発生するために適しません。硫化物泉では次亜塩素が反応し効力がなくなってしまします。換水の頻度を上げることと、清掃時に塩素系洗剤を用いて洗浄消毒する方法で対処します。
(3)フミン質を含有する泉質では、トリハロメタンが発生する可能性がありますので、塩素剤とは別の殺菌法を選択します。
(4)微生物ろ過方式の場合は、塩素により微生物が死滅し、ろ過能力が低下する可能性があります。遊離残留塩素0.2~0.4mg/Lで管理してろ過能力に影響しなかった事例もありますが、ろ過器メーカーによく相談のうえ、実施することです。ただし、このろ過方式はバイオフィルムが生じやすくなります。
レジオネラ属菌検査 税込み5,500円
浴槽水4項目検査 税込7,700円
原水等6項目検査 税込8,250円
安く・早く・正確にをモットーに行っております。