アリスの部屋
塩素の必要量を計算する方法
お元気様です!
静岡県では、8日インフルエンザの流行が始まったと発表されました。
例年より1ケ月早い流行の様です。例年通りのペースで拡大すると
12月上旬から中旬にかけてピークになる見込みとのことです!
こまめにうがい手洗いはもちろんのこと、マスクの着用もし、健康管理に
注意していきましょう。
さて、本題です。
今日は「塩素の必要量を計算する方法」についてご紹介します。
♦循環型浴槽では塩素濃度の維持が必要
循環型浴槽の管理の場合、不特定多数の入浴者がある温浴施設では、当然のことながら湯の汚染度も高くなります。
人が持ち込む細菌だけではなくて、人の身体から出る汚れが、配管やろ過器内および湯の滞留場所に付着して細菌の栄養源にもなります。
こうした頻繁に持ち込まれる細菌や汚れに対しては、継続的に殺菌および浄化することが必要となります。
また、レジオネラ属菌はアメーバを宿主とし、バイオフィルム内にも生息するため、断続的な塩素の攻撃を受けたとしてもそこに隠れてしまい、生き延びてしまいます。
そのため、持続的な塩素剤の使用と、残留塩素濃度管理が必要になります。
♦塩素は入浴者数、温度、日光、バイブラなどの条件下で消費される
浴水中の残留塩素濃度は一定とはいえません。さまざまな要因によって消費されることで、変動します。
そのため、下限値の0.4mg/L(※令和元年9月19日付厚生労働省より通知)を維持するためには、0.4mg/L~1.0mg/L(※令和元年9月19日付厚生労働省より通知)に管理することが望ましくなります。
塩素の消費を促進する原因としては、次のものが挙げられます。
①入浴者数の増加
②温度の上昇
③バイブラバス、ジェットバス、打たせ湯のような物理的作用
④露天風呂のように紫外線による分解
⑤有機物の汚れや生薬成分によるもの
⑥鉄分や硫化水素
♦塩素の必要量を計算する方法
塩素剤を用いて管理する場合に、各温浴施設の水量や入浴者数、営業時間、塩素の消失スピードなど、複数の要因で必要量が異なってきます。
最初に、理論的に必要な使用量を求めたうえで、実際の使用時における残留塩素濃度を測定し、過不足を補正することが望ましくなります。
次に理論上の必要塩素量の求め方を説明します。
(1)浴用塩素剤の使用量を求める計算式
W={T×(P×D+L×М)+P×E}/有効塩素濃度(%)/100
W:必要塩素量(g/1日)
T:営業時間(hr)
P:浴槽の水量(t)
D: 塩素自然消失速度(mg/L/hr)
L:1人当たりの塩素消費量(g/人)
M:平均入浴者数(人/時間)
E:遊離残留塩素濃度を0.4mg/Lで持続
(2)使用量の事例(使用条件と計算例)
営業時間12時間、浴槽の水量5t、塩素自然消失速度0.1mg/L/hr、1人当たりの塩素消費量を0.5g/人、平均入浴者数10人/時間、遊離残留塩素濃度を0.5mg/Lで持続
*ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの使用量計算例(有効塩素60%)
1日使用量={12hr×(5t×0.1mg/L/hr+0.5g/人×10人/時間)+5t×0.4mg/L/hr}/0.6
=113g
*トリクロロイソシアヌル酸の使用量計算例(有効塩素90%)
1日使用量={12hr×(5t×0.1mg/L/hr+0.5g/人×10人/時間)+5t×0.4mg/L/hr}/0.9
=75g(5錠)
(3)次亜塩素酸ナトリウムの使用量計算例
(有効塩素12%)(塩素自然消失速度 2.0mg/L/hr)
1日使用量={12hr×(5t×2.0mg/L/hr+0.5g/人×10人/時間)+5t×0.4mg/L/hr}/0.12
=1,517g(約1.4ℓ)
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