アリスの部屋
温泉施設をレジオネラ属菌から守るための管理ポイント~9つのチェック項目を頭にたたき込もう~
お元気様です!
今回は、温泉施設をレジオネラ属菌から守るための管理ポイントのお話です。
a.日常の運営
・浴槽水の残留塩素濃度測定記録の保管(測定は1~2時間おきに行います)。
・ヘアキャッチャーの清掃(1日1回は行います)。
・給水・給湯カランなどの残留塩素濃度測定記録の保管(1日1回)
・次亜塩素酸ナトリウムなど消毒剤の補充
・バイブラ装置や受水槽の空気取り入れ口のフィルターの清掃
・営業が修理した後も塩素注入と、ろ過器の運転を1~2時間継続し、水質改善を図るようにしたほうがよいでしょう。
これとは別に、さらに湯に溶け込んだアンモニアなど窒素酸化物を酸化分解させるために、5~10mg/Lの高濃度塩素の状態を保って運転させることをスーパークロリネーションといいます。
b.定期的な清掃・消毒
ろ過循環配管・ろ過器・オーバーフロー回収槽の清掃は、換水の都度行います。消毒は「公衆浴場における衛生等管理要領」にそって、週に1回は行います。
・貯湯槽…年に2回程度(開放式は月1回程度)
・受水槽…年に2~4回
c.水質検査
「公衆浴場における水質基準等に関する指針」において、毎日完全換水型は年1回以上連日使用型は年2回以上(塩素消毒でない場合は年4回以上)で水質検査が定められていますが、毎日の管理や定期的な消毒の確認の意味から、月1~2回は行いたいものです。なお、サンプルはハイポなどで塩素の効力をなくしたうえで、冷却保存にて検査所に持ち込みます。
d.機器のメンテナンス
ろ過器などの機器は、施設側でもある程度点検する必要はありますが、専門業者とメンテナンス契約をする方が確実です。
ろ材は、砂ろ過の場合は3年程度で取替が必要になります。特に負担が高い水風呂や日替わり湯などは1~2年で取替えなかればなりません。
ポンプ類も正しいろ過のためには重要で、いつもと少し違う音がしたときは注意しましょう。温泉の場合は、熱交換器や配管内チェックも必要になります。
e.消毒方法(主にバイオフィルム除去を目的にしたもの)
(1)高温水循環による消毒は60℃~70℃で、温度により2~6時間循環(通常の塩ビ管ではできない)をさせます。
(2)薬剤による吸い込み口が底面にある場合は、換水する前に湯を3分の1に減らし(そうでない場合はそのまま)、水量に合わせて適量の消毒剤を浴槽に投入します。消毒剤の種類・濃度に応じた時間で通常のろ過運転を行い、系統内すべてのバイオフィルムを除去します。もちろん、消毒後はそれを捨てて浴槽を水洗いします。
・高濃度塩素は10~50mg/Lで2~6時間循環させます(配管を腐食させやすい欠点があり)。
・二酸化塩素は2~4mg/Lで2~3時間循環させます(やや高価)。
・過酸化水素水は2~4%で2~3時間循環させます(劇薬なので専門業者を要する)。
9つのチェック項目を頭にたたき込もう
(1)基本的なことは、総合的に特色や能力を検討し、計画に合致した正しいろ過方式や消毒方式を選定することです。
(2)ろ過の制度は単に機器だけのことではなくて、箱である建築もおおいに関係します。いったん作られたものは運命的にずっとつきまとうからです。
(3)ろ過器は、ただ設置すればお湯がきれいになるのではなく、入浴者数の増加に伴った状況の変化をタイムリーに把握し、臨機応変に対応することで威力を発揮します。
(4)レジオネラ属菌の性質と感染症発生のメカニズムを理解し、ろ過・消毒が正しくなされるならば、レジオネラ症は恐れることはありません。
(5)正しいろ過の目安になるものは浴槽水の残留塩素濃度と汚れです。
(6)配管・機器・浴槽にバイオフィルムがあると、レジオネラ属菌の供給源となり、入浴者数の増大に伴う汚染が引き金になって浴槽内にレジオネラ属菌が急激に増える危険性があります。
(7)バイオフィルムを完全に防ぐ方法は今のところはないので、定期的な消毒が不可欠です。
(8)湯水の供給源である水槽類はレジオネラ属菌の温床となりやすい。特に温泉の源泉層や開放式の貯湯槽、一時貯留のオーバーフロータンクは要注意です。
(9)給湯タンクは、密閉式の膨張タンク方式がよいでしょう。そうでない場合は、必ず給湯温度を55℃以上にします。
お気軽にお問い合わせください!
レジオネラ属菌検査 税込み5,500円
浴槽水4項目検査 税込み7,700円
原水等6項目検査 税込み8,250円
安く・早く・正確にをモットーに行っております。