アリスの部屋
過酸化水素で徹底洗浄するとバイオフィルムは除去できる~レジオネラ菌対策~
過酸化水素は機器材質を傷めずに配管を洗浄できる
過酸化水素は、粘着質の微生物の汚れ(軟泥状の水あか)や油脂、たんぱく質類などの汚れに接触すると、激しく酸素ガスを発生します。その発生した酸素ガスによって有機物が分解されて溶解したり、粘着性を失って壁面より剥離したり、互いに解離しあって分散します。また、同時にその激しい発砲によって、物理的に剥離、微細分解されます。
浴槽の循環装置系統の配管内部には、入浴による人体成分、汚れ、洗剤成分を栄養源として繁殖したアメーバや、生物膜・スライムを作る細菌類など、各種微生物細菌により生成されたバイオフィルム(生物膜、ぬめり)などの有機物系の汚れが付着堆積してきます。
過酸化水素はこのようなバイオフィルム自体が触媒となり、接触したときに発生した酸素ガスの化学的な力(酸化作用)と、物理的な力(発砲作用)の相乗作用でバイオフィルムを除去するのです。
さらに過酸化水素は、鉄・ステンレスなどの金属や、プラスチック、石材など各種の材質に対する影響が非常に少ないことから機器材質を傷める心配がなく、完全に分解した後は単なる水になります。したがって有害な物質が残ったり生成したりすることがなく、排水面でも問題ありません。
このようなことから、過酸化水素はバイオフィルムの汚れを主体とした、浴槽の循環装置系統の配管洗浄に適した洗浄材といえます。
過酸化水素で徹底洗浄するとバイオフィルムは除去できる
循環式浴槽では、循環経路内にろ過器などを設置して浴槽水を浄化し、循環させていますが、入浴施設の性格上、入浴者の汚れや表皮成分(皮脂等)などの有機物質と、それを栄養分とする微生物類が汚れなどに混じって、絶えず浴槽水中に持ち込まれています。さらに温度条件など、微生物の生育環境に適した状況になっていることから、レジオネラ属菌に汚染される可能性が高い設備といえます。
特に汚濁物質が付着・堆積するろ過装置内では、細菌やカビ類あるいは原生動物(アメーバなど)などの各種微生物が有機物質を栄養源として増殖しやすく、これらの微生物はろ過装置内のろ材表面やその内部はもちろん、浴槽や配管の内壁、継手部分などに定着して増殖し、バイオフィルムを形成します。レジオネラ属菌などの病原微生物もバイオフィルムの内部で増殖します。しかも、消毒剤が届きにくい状態であり、この不利な条件で保護状態になっています。
循環系統内にバイオフィルムが形成されている浴槽では、いくら殺菌消毒を行っても、効果があるのは湯水に対してだけで、バイオフィルム内の病原微生物に効果がありません。病原微生物はその中で絶えず増殖を続けています。
このような場合は、水質検査で、たとえ浴槽水中のレジオネラ属菌の検出量が少ない(10CFU/100mL未満)場合でも安心はできません。なにか物理的な要因などでバイオフィルムが破れて、その中の増殖した菌がいっきに浴槽水中に遊出して汚染される可能性もあります。
これらのことから、レジオネラ症の発生を防ぐためには、その増殖・発生源となるバイオフィルムを完全に取り除き、かつ形成させないことが最も重要です。バイオフィルムを形成させないためには、単にレジオネラ属菌などだけでなく、その宿主となるアメーバやスライムを作る細菌類などの各種微生物を定着・繁殖させないこと、さらにはその微生物の栄養源となる有機物の汚れを付着・堆積させないことが必要となってきます。そのためには、ろ過装置・配管を含めた徹底洗浄・消毒を実施し、バイオフィルムを完全に除去することが必要となります。
また、洗浄によっていったんバイオフィルムなどを除去しても、有機質の汚れは徐々に付着・堆積してきます。特に砂など多孔質のろ材内部に入り込んだ汚れや、堆積した汚れの下部などには、通常の殺菌処理では効果が行き届かない場合があり、再び微生物類の繁殖、バイオフィルム形成につながる可能性があります。
お客様に安心して入浴施設を利用していただくためにも、衛生管理においてレジオネラ症発生の予防は日常の殺菌・消毒を行い、汚れを完全に除去して、常に清潔に保つことが望まれます。
レジオネラ属菌検査 税込み5,500円
浴槽水4項目検査 税込み7,700円
原水等6項目検査 税込み8,250円
安く・早く・正確にをモットーに行っております。